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コラム

プロネクサスベトナム現地レポート(2020年9月 VOL.5)

プロネクサスベトナムが、ベトナム現地情報をお伝えいたします。
今回のテーマは、【コロナウイルス第二波の影響in ホーチミン】についてご紹介します。

【ベトナムのコロナウイルス感染者数の推移】

 ベトナム・ダナン地域を中心に、2020年7月中旬よりベトナム国内でコロナウイルスの感染者数が増加した。下記は、ベトナム国内のコロナウイルス感染者数・死者数の推移をグラフにしたものである。8月中旬までの短期間のうちに、急速に感染が拡大した傾向がみてとれる。

出典:ベトナム保険省HP及び専用アプリ(NCOVI)から引用

これは、ダナン市を始めとするベトナム北部から中部地方にかけて感染者数が増加したことを主因とするため、7月にダナン市・ハノイ市及び近隣地域で「社会的隔離措置 第二弾」を断行することで、感染者数の拡大を阻止しようとの動きが見られた。
その結果、8月下旬にはベトナム国内での感染者数は急速な感染拡大傾向から鈍化傾向に転じ、9月上旬にかけて、感染者数及び死者数の増加に歯止めがかかった状況といえる。以下に、ダナン市における、社会的隔離措置期間中の遵守事項について、その一部を記載する。各市人民委員会の裁量のもと、感染者数の増加に歯止めをかけるべく、工夫を凝らした遵守事項を公表している。

  1. 市民は極力外出せずに家に留まる。外出は食料品・医療品の購入のみとし、不要不急のサービスについては停止する各世帯が市場に行く頻度を、3日に1回とし、合計15日間利用可能なチケット5枚を各家庭に配布。
  2. 各市場にチケット回収を行う人員を配置し、市民にルール遵守を呼び掛ける。
    引用:在ホーチミン日本国総領事館からの案内メール

【ホーチミン市での対応について】

ダナン市・ハノイ市が市民に不要不急の外出を自粛するよう呼び掛ける一方で、ホーチミン市の対応は、両市とは異なるものであった。以下、7月30日付ホーチミン市人民委員会からの通達を一部抜粋する。

  1. 大勢の人数が集まるイベント(祭事・不要不急の会議・セミナーなど)を一時的に取りやめ、公共の場(学校・病院を除く)において30名以上が集まらないようにする。
  2. 必要性がないサービス(バー・ディスコ)の営業を一時停止する。
    引用:在ホーチミン日本国総領事館からの案内メール

感染者数増加の主な原因が「ダナンを中心とする中部地方であること」や、「ホーチミン市内においてクラスターの発生」が認められなかったことなどが、ダナン市の通達と比較して措置軽減に寄与したと考えられる。
 このようにホーチミン市の規制が厳しいものではなかったことで、下記写真のように、市内の飲食店・コーヒーショップ等は通常通りの営業を行っていた。社会的隔離措置が実施された3月・4月等に比べると、市民生活における影響は軽微であったといえる。

通達後のコーヒーショップの様子
    通達後のコーヒーショップの様子

同日の飲食店の様子
同日の飲食店の様子

2020年7月31日 筆者撮影

【一人の国民は感染症を防止する一人の兵士である】

上記は、社会的隔離措置断行に際し、国民全体で感染症を退けることを呼びかけたフック首相の発言である。コロナウイルスへの対応に関し世界的に高く評価されるベトナムは、「政府からのトップダウンの政策に対し、一致団結して取り組むベトナム人の国民性が関係している」との話を耳にする機会が多い。社会的隔離措置第二弾が解除された現時点においても、ベトナム国内ではマスク・手消毒に関する意識は依然として高く、ベトナム人のコロナウイルスに関する関心は高いままであると言える。世界中で猛威を振るうコロナウイルスへの対応を通じて、ベトナム及びベトナム人への理解を深めることができると考えている。

以上、プロネクサスベトナムが、【コロナウイルス第二波の影響in ホーチミン】ついてご紹介致しました。
次回は「対越FDI動向コラム 2020年9月」となります。

プロネクサスベトナム現地レポート(2020年9月 VOL.5)

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