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コラム

プロネクサスベトナム現地レポート (2024年1月 VOL.54)

プロネクサスベトナムが、2023年12月のベトナム現地情報をお伝えいたします。

今回のテーマは、ベトナムへの海外からの直接投資(Foreign Direct Investment以下、FDI)の動向についてです。

【FDI動向の概要(2023年1月1日~12月20日)】*12月の数値は20日時点の値   

1.   日本の対越投資動向

日本の2023年1月1日から12月20日までのFDI投資額は約65.7億USドル(*2022年同期間:約47.8億USドル、137.4 %)                                   
日本の2023年1月1日から12月20日までのFDI投資件数は、676件(*2022年同期間:581件、116.4%)                                         
証券投資件数を日本の2023年1月1日から12月20日までのFDI投資件数は、446件(*2022年同期間:365件、122.2%)

*下グラフ参照
*証券投資を除くFDI投資件数の統計データは、会社設立や増資等の日系企業の直接的な進出動向の判断指標の一つとなる数値です。

*データ引用元:ベトナム外国投資庁

 

2.世界の対越投資動向

 2023年12月の値ですが、海外からのベトナムへの直接投資は、111の国と地域から投資が行われており、投資金額・投資件数の上位5か国は以下のとおりです。

 

                     ■投資金額の上位5か国(金額:USドル)                          ■投資件数の上位5か国(件数)

*データ引用元:ベトナム外国投資庁 *「新規投資の金額・件数」「追加投資の金額・件数」「証券投資の金額と件数」の合計で順位を算出(2023年1月1日~12月20日)

 

20231月から12月までの海外からのベトナムへの投資の状況>

2023年12月のベトナムに対する海外からの直接投資は、[払込資本金]が366億米ドル、前年同期比で32.1%増加いたしました。海外からの[新規投資件数]は大幅に増加いたしました。また、[登録資本金]は、前年同期比3.5%増加いたしました。

 また、海外からベトナムへの新規プロジェクトへの投資は3,188件(前年同期間比56.6%増)、金額は201億9,000万USドル(前年同期間比62.2%増)。同様に海外からベトナムへの既存プロジェクトに係る増資に関しては、1,262件行われ(前年同期間比14%増)、金額は78億8,000万USドル(同期比22.1%減)となりました。

 

20231220日時点の海外からの投資累計額>

2023年12月までの全期間にベトナム全体に対して申請された累計の[*登録資本金]の総額は、4,689億2,000万USドルであり、これに対して実際に払い込みされた[払込資本金]の総額は2,972億USドル(63.4%)になっております。

*申請時に登録を行う[登録資本金]全額を支払う必要はなく、実際に払い込まれた資本金を[払込資本金]として区別します。なお、[登録資本金]と[払込資本金]が一致している場合、親子ローンなどの借入を行うことができないため、投資を行う場合は注意が必要です。

 

<大手格付け会社フィッチはベトナムの中期的成長率を+7%と予想>

英国の大手格付け会社フィッチレーティングスは、ベトナムの中期的な成長率を7%前後と予想し、海外直接投資(FDI)が重要な役割を果たしていくと述べました。

フィッチは不動産市場や外需の低迷などによる経済的な逆風が中期的な経済見通しに影響を与える可能性は低いとしています。ベトナムは周辺諸国と比べてコスト・人件費競争力、教育水準の高い労働力、多数の地域的・世界的な自由貿易協定(FTA)への加盟は、特にグローバルなサプライチェーンの多様化が進行している状況において、対ベトナムFDI誘致に寄与する見込みです。

なお、9月にベトナムとアメリカの関係が包括的な戦略的パートナーシップに格上げされたことで、アメリカからベトナムへのFDI流入と貿易が促進される可能性があるということです。

統計によると、昨年のベトナムへのFDIは224億ドル(GDPの約6%)で、2021年の197億ドルから増加し、2023年11月までのFDIは202億ドルです。また、対外財政の改善について2022年に急減したベトナムの外貨準備高は、2023年9月末時点で890億米ドルに達したとしています。

フィッチはベトナムの長期発行体デフォルト格付け(IDR)を「BB」に格上げし、同国の良好な中期成長見通しを反映しているとしました。この見通しは、堅調な直接投資(FDI)の流入に支えられており、ベトナムの構造的な信用指標の持続的な改善を引き続き促進すると予想しています。

「不動産セクターのストレス、弱い外需、汚職取り締まりによる政策実施の遅れなどによる短期的な景気の逆風が、中期的なマクロ経済見通しに影響を与える可能性は低く、政策バッファーは短期的なリスクに対処するのに十分であるとの確信を強めている」とフィッチは述べました。

また、FDIの誘致と利用は、経済の移行と再構築、成長モデルの改革を促進し、国家、部門、製品、サービスの競争力を高め、制度、法的政策、環境配慮の改革を促進し、完全で近代的な統合市場経済の発展に向かっています。

 

*引用元:

VIETNAM PLUS 「Fitch Ratings forecasts Vietnam’s favorable medium-term growth」

https://en.vietnamplus.vn/fitch-ratings-forecasts-vietnams-favourable-mediumterm-growth/275544.vnp

(参照2023/12/28)

VIETJO 「フィッチ、ベトナムの中期的成長率を+7%と予想」

https://www.viet-jo.com/news/economy/231229152436.html

(参照2023/12/29)

 

 

以上、プロネクサスベトナムが海外からの投資動向について、お知らせ致しました。

次回は、【ベトナムへの海外からの直接投資(Foreign Direct Investment以下、FDI)11月の動向について】をお伝え致します。

 

プロネクサスベトナム現地レポート(2024年1月 VOL.54)

 

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