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コラム

プロネクサスベトナム現地レポート (2023年12月VOL.53)

プロネクサスベトナムが、2023年11月のベトナム現地情報をお伝えいたします。

今回のテーマは、ベトナムへの海外からの直接投資(Foreign Direct Investment以下、FDI)の動向についてです。

【FDI動向の概要(2023年1月1日~11月20日)】*10月の数値は20日時点の値   

1.   日本の対越投資動向

日本の2023年1月1日から11月20日までのFDI投資額は約31.1億USドル(*2022年同期間:約46.0億USドル、67.6%)                                    
日本の2023年1月1日から11月20日までのFDI投資件数は、632件(*2022年同期間:530件、119.2%)                                          
証券投資件数を日本の2023年1月1日から10月20日までのFDI投資件数は、418件(*2022年同期間:327件、127.8%)

*下グラフ参照
*証券投資を除くFDI投資件数の統計データは、会社設立や増資等の日系企業の直接的な進出動向の判断指標の一つとなる数値です。

*データ引用元:ベトナム外国投資庁

 

2. 世界の対越投資動向
 2023年11月の値ですが、海外からのベトナムへの直接投資は、110の国と地域から投資が行われており、投資金額・投資件数の上位5か国は以下のとおりです。

*データ引用元:ベトナム外国投資庁 *「新規投資の金額・件数」「追加投資の金額・件数」「証券投資の金額と件数」の合計で順位を算出(2023年1月1日~11月20日)

 

20231月から11月までの海外からのベトナムへの投資の状況>

2023年11月のベトナムに対する海外からの直接投資は、[払込資本金]が288億5,000万米ドル、前年同期比で14.8%増加いたしました。海外からの[新規投資件数]は大幅に増加いたしました。また、[登録資本金]は、前年同期比2.9%増加いたしました。

 また、海外からベトナムへの新規プロジェクトへの投資は2,865件(前年同期間比58.1%増)、金額は164億1,000万USドル(前年同期間比42.4%増)。同様に海外からベトナムへの既存プロジェクトに係る増資に関しては、1,152件行われ(前年同期間比15.9%増)、金額は64.7億USドル(同期比32.1%減)となりました。

 

20231120日時点の海外からの投資累計額>

2023年11月までの全期間にベトナム全体に対して申請された累計の[*登録資本金]の総額は、4,624億USドルであり、これに対して実際に払い込みされた[払込資本金]の総額は2,942億USドル(63.6%)になっております。

*申請時に登録を行う[登録資本金]全額を支払う必要はなく、実際に払い込まれた資本金を[払込資本金]として区別します。なお、[登録資本金]と[払込資本金]が一致している場合、親子ローンなどの借入を行うことができないため、投資を行う場合は注意が必要です。

 

<ベトナム、FDIフローを維持するためのイニシアチブを策定>

ベトナムは、戦略的投資家や多国籍企業グループを奨励・誘致するための支援基金を設立し、外国直接投資の誘致をより魅力的なものにする予定です。国会はこのほど、グローバル・ベース侵食防止規則(グローバル・ミニマム税)に基づく法人所得税の追加適用に関する決議を承認しました

翌年1日から適用されるこの決議により、4年連続のうち2年間の売上高が7億5,000万ユーロ(約8億米ドル)以上の多国籍企業(MNE)には、15%のグローバルミニマム税率が適用されます課税対象となる投資家は、ベトナムでグローバルミニマム税を納付しなければなりません。ベトナム国内の120以上の多国籍企業がグローバルミニマム税の影響を受けると推定されます。

第15回国会は原則的に同意し、投資環境を安定させ、戦略的投資家や多国籍企業を誘致するために、グローバルミニマム税やその他の法的財源からの投資を支援する基金の設立、管理、使用に関する政令案を構築するよう政府に要請しました。これは、グローバルミニマム税率の導入とともに、ベトナムが海外からの投資誘致を維持するためのイニシアチブを実施することを意味します。

今年初めに開催されたベトナム・ビジネス・フォーラム(VBF)において、ファム・ミン・チン首相は、外国企業がベトナムで効果的なビジネスを行うための好条件を作り出すことができるグローバル最低法人税に関する適切な政策を立案するために、政府は他国を注視し、他国から経験を学んでいると述べました。

一方、計画投資省(Ministry of Planning and Investment)は、2023年にグローバルミニマム法人税が正しく課税されることを前提に、ベトナムは投資家を支援する「インセンティブパッケージ」を準備し、投資環境の競争力を強化すると表明しました。政令草案の作成にはまだ長い道のりがありますが、政府と国会の動きは外国人投資家の信頼を勝ち取ることに大きく貢献するのでしょう。

キヤノンベトナム副社長のDao Thi Thu Huyen氏は、税制優遇措置は同社がベトナムで大規模生産を拡大するための重要な要素であると述べ、ベトナムは公約を維持するためにタイムリーな政策をとるべきであり、そうでなければ外国企業はより競争力のある他の地域への工場移転を検討するだろうと付け加えました。

FDIの流入は、ベトナムが国際市場の拡大を加速させるために有利な条件を作り出しただけでなく、あらゆる面でベトナムの事業活動を改善し、多くの大規模プロジェクトの資本負担を軽減するのに役立っています。

また、FDIの誘致と利用は、経済の移行と再構築、成長モデルの改革を促進し、国家、部門、製品、サービスの競争力を高め、制度、法的政策、環境配慮の改革を促進し、完全で近代的な統合市場経済の発展に向かっています。

*引用元:

VIETNAM PLUS 「Vietnam to develop initiatives to sustain FDI flows」

https://en.vietnamplus.vn/vietnam-to-develop-initiatives-to-sustain-fdi-flows/272320.vnp

(参照2023/12/15)

 

I-GLOCAL 「ベトナムのグローバル・ミニマム課税の適用予定及び外資系企業への影響」

https://www.i-glocal.com/wp-content/uploads/2023/09/igl_tax_2023_09_16.pdf

(参照2023/09/15)

 

以上、プロネクサスベトナムが海外からの投資動向について、お知らせ致しました。

次回は、【ベトナムへの海外からの直接投資(Foreign Direct Investment以下、FDI)10月の動向について】をお伝え致します。

 

プロネクサスベトナム現地レポート(2023年12月 VOL.53)

 

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