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コラム

プロネクサスベトナム現地レポート(2020年12月 VOL.14)

プロネクサスベトナムが、ベトナム現地情報をお伝えいたします。
今回のテーマは、【日本人の知らないベトナム人の特徴、習慣】についてご紹介します。
なお、今回のレポートについては、筆者の個人的見解が大部分を占めており、統計データ等によらないことを予めご承知おきください。

【Facebook利用率の高さ】

 筆者のベトナム赴任当初、ベトナム人のFacebook利用率の高さに驚いた経験があります。日本でもFacebook利用者は相応におり、ソーシャルネットワーキングとしての利用はもちろんのこと、情報収集や情報交換、ビジネスシーンにおけるマーケティングでの利用が中心になっているものと思います。
ベトナムでも同様な利用方法が一般的ではありますが、一部では<販売チャネル>としても活用されているケースがありますので、ご紹介したいと思います。

 ベトナムでは、「トラディショナルトレード」(パパママショップともいわれる、伝統的な個人商店)の比率が高く、約80%以上もあるといわれており、そのような状況において、FacebookのLive配信機能を活用した販売方法を実践するケースがみられます。

具体的には、自身のFacebook上でLive配信し、不特定多数の視聴者に対し、商品説明と同時に販売を行います。例えるなら、「Facebook上で、売り切れ御免のテレビ通販を行う」というようなイメージです。なお、視聴者が購入を希望する場合、Live配信上のコメント欄に自身の情報(住所などの商品送付先)を投稿し、配信者の同意が得られれば売買が成立します。売買代金については、インターネットバンキングでの銀行送金が一般的であり、商品については配送先住所へ郵送され、商品の到着をもって売買が完了します。

 上記のような商品の売買を目的とした専用のプラットフォームではなく、SNSであるFacebookが、「売り手の販売促進活動から商品の売買」まで、一貫して利用されているのには、以下のようなベトナム特有の文化に基づくものであり、独特な販売チャネルであると考えられます。

  • 「Facebook利用率の高さ」
  • 「個人情報の取り扱いに関して寛容」(意識が低いとも言い換えられます)
  • 「大手配車アプリ等による商品輸送手段が安価」(Grab等)

 

【Facebookがベトナムのビジネスシーンに与える影響に関する考察】

このような販売チャネルが浸透することは、ベトナム国内市場向けの個人商店以外の小売業者にとっては、脅威になるのではないかと感じております。

なぜなら、このFacebookを活用した販売促進活動が一体となった販売手法は、従来型の紙面やメディアなどを活用した広告宣伝活動から、HPや外部への委託によるECサイトでの販売につなげる手法とは大きく異なる特徴があります。これまで、個人商店以外の小売業者は、間接的な一方通行のPR活動を通じて不特定多数の見込客へアプローチし、購買行動につなげていましたが、個人商店が行っているFacebookを活用した販売促進活動一体型の販売手法は、不特定多数の見込客へ直接アプローチしながら、双方向のコミュニケーションが可能な点において大きく異なっているといえます。これは従来、資本力を持たない個人商店は、近隣住民をターゲットに局地的な商圏で商売を行っておりましたが、Facebookを活用することで地域に縛られず、広範囲の不特定多数の見込客へアプローチが可能になることを意味します。
ベトナムに進出した外資系の小売業者にとっては、いままで競合していなかったたくさんの個人商店も「見えないライバル・競合他社」として存在感が増すことになります。

加えて、上述のトラディショナルトレードは税務行政の観点からもマイナスの影響が懸念されます。決算書等の財務諸表の作成・税務申告などが、おそらく高い確率で正しく行われていないものと考えられるからです。

このような点に言及するだけでも、ベトナム国内向け市場は非常に難しい市場であると考えられると思います。Facebookを媒体とする宣伝広告の重要性は、日本人を含む外国人に浸透してきておりますが、販売チャネルの多様化や、小売市場単体としての難しさも常に念頭においておく必要があると考えます。

以上、プロネクサスベトナムが、【日本人の知らないベトナム人の特徴、習慣】をご紹介致しました。

次回は「ベトナムの日常生活 金(Gold)へのニーズ」となります。

プロネクサスベトナム現地レポート(2020年12月 VOL.14)

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