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コラム

プロネクサスベトナム現地レポート(2021年7月 VOL.24)

プロネクサスベトナムが、2021年6月のベトナム現地情報をお伝えいたします。

今回のテーマは、ベトナムへの海外からの直接投資(Foreign Direct Investment以下、FDI)の動向についてです。

2021年ワクチンが普及してきたものの全世界で新型コロナウイルスの影響は未だに大きく、前年同時期と比べると減少傾向が続いております。

【FDI動向の概要(2021年1月1日~6月20日)】*6月の数値は20日時点の値          

1.日本の対越投資動向

  • 日本の2021年1月1日から6月20日までのFDI投資額は約24億4,246万USドル(*2020年同期間:約14億6,410万USドル、8%)
  • 日本の2021年1月1日から6月20日までのFDI投資件数は、260件(*2020年同期間:586件、4%)
  • 証券投資件数を除いた日本の2021年1月1日から6月20日までのFDI投資件数は、149件(*2020年同期間:223件、66.8%)

*下グラフ参照
*証券投資を除くFDI投資件数の統計データは、会社設立や増資等の日系企業の直接的な進出動向の判断指標の一つとなる数値です。

*データ引用元:ベトナム外国投資庁

 

2.世界の対越投資動向

 2021年6月の値ですが、海外からのベトナムへの直接投資は、80の国と地域から投資が行われており、投資金額・投資件数の上位5か国は以下のとおりです。

*データ引用元:ベトナム外国投資庁 *「新規投資の金額・件数」「追加投資の金額・件数」「証券投資の金額と件数」の合計で順位を算出(2021年1月1日~6月20日)

 

<主な大型プロジェクト>

  • 火力発電所建設プロジェクトで約13億USドル(日本)2021/1
  • LG電子ハイフォン工場に約7億USドル追加投資(韓国)2021/2
  • 発電所建設プロジェクトで約31億USドル(シンガポール)2021/3
  • 太陽電池プロジェクトで約5億USドル(香港)2021/3
  • Far Eastern Polytex工場に約6億USドル追加投資(台湾)2021/5
  • 上記の大型プロジェクトなどがFDI投資金額全体を下支えしており、全世界からのベトナムへの投資金額は、対前年同時期と比較し60.6%程度で推移

*引用元:ベトナム外国投資庁

 

<6月の投資状況>

2021年6月の外国からベトナムへのFDI投資をみてみると、金額ベースは同水準に少しずつ戻りつつありますが、件数は未だに伸び悩んでいる状況にあります(対前年比 約60.6%程度)。

外国からベトナムへの新規プロジェクトへの投資は804件(対前年比56.7%程度)、金額は95億USドル(対前年比113.2%)。同様に外国からベトナムへの既存プロジェクトに係る増資に関しては、460件行われ(対前年比87.5%程度)、金額は41億USドル(対前年比110.6%)に達しました。しかしながら、2021年6月のベトナムにおいて投資資本においては6.8%増加し、厳しい状況下でも注目を浴び、経済成長が続いていることが分かります。

 

<発展していくベトナムのEC市場とSNS>

近年ベトナムでのEC市場やSNS普及率が目覚ましい拡大を遂げています。

ベトナムのモバイルアプリの会社Appotaによるとベトナムで携帯電話を使用している人は人口の約70%を占め、インターネット利用率(スマホで)は95%まで伸びています。ベトナム人は特にSNS利用率が高いと言われており、2020年12月時点で人口9730万人のうち73%が毎日SNSにアクセスしているとのことです。一番人気のメッセージングアプリはZalo、次いで人気なのがFacebook Messengerとなっています。その他YoutubeやTiktokなども日本と同様若い世代で非常に人気が出ています。

また近年ではコロナウイルスの影響もあり、EC市場は若者だけでなく中高年の方にも多く利用されています。ベトナムのeコマース協会(VECOM)の発表によると、2017年から2018年に掛けてEC市場規模は30%の成長となり、今後も同成長率となれば2020年の市場規模は130億USDまで達します。日本では通販サイトといえばAmazonや楽天での購入がほとんどでありますが、ベトナムでは有名な通販サイト以外にもSNSでの商品購入が非常に多いです。また、広告も日本とは少し違い、製品名を大々的に繰り返し出すことで顧客の頭に残るようなものが通常です。日本の製品名をあまり出さない広告とは違うため、ベトナムやその他海外でマーケティング・広告を出す際は当然ながら文化の違いに注意が必要です。

ベトナムのEC市場拡大は、外資系企業にとって大きなメリットです。伝統的なパパママショップが主流であり外資系が参入し辛い環境であったベトナムですが、EC市場がより発展していくことで、外資系企業は店舗の確保や人材の確保にコストが掛からなくなり、初期コストを抑えて海外進出が出来ます。

以上を踏まえて、今後のベトナムのEC市場拡大には更なる注目が集まるでしょう。

*引用元:

Appota. “Vietnam Mobile Application Report” https://appota.com/report,(参照2021/06/29)

Vietnam E-commerce Association(VECOM). “The speed of e-commerce development”. http://en.vecom.vn/news/the-speed-of-e-commerce-development,(参照2021/06/29)

 

以上、プロネクサスベトナムが海外からの投資動向について、お知らせ致しました。

次回は、【ベトナムへの海外からの直接投資(Foreign Direct Investment以下、FDI)7月の動向について】をお伝え致します。

 

プロネクサスベトナム現地レポート(2021年7月 VOL.24)

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