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コラム

プロネクサスベトナム現地レポート(2021年1月 VOL.17)

プロネクサスベトナムが、2021年最初のベトナム現地情報をお伝えいたします。
今回のテーマは、ベトナムへの海外からの直接投資(Foreign Direct Investment以下、FDI)の動向についてです。

2020年は、全世界で新型コロナウイルスの影響が拡大し、外国投資家からのベトナムへの投資に大きな影響を与えました。2020年におけるベトナムへのFDI投資について振り返りたいと思います。

【FDI動向の概要(1月~12月)】 *12月の数値は、20日時点の速報値

1.日本の対越投資動向

  • 日本の2020年1月から12月までのFDI投資額は約23億6,798万USドル(*2019年同期間:約41億3,760万USドル、2%)
  • 日本の2020年1月から12月までのFDI投資件数は、950件(*2019年同期間:1,456件、2%)
  • 証券投資件数を除いた日本の2020年1月から12月までのFDI投資件数は、427件。(*2019年同期間:655件、65.1%)

*下グラフ参照
*証券投資を除くFDI投資件数の統計データは、会社設立や増資等の日系企業の直接的な進出動向の判断指標の一つとなる数値です。

*データ引用元:ベトナム外国投資庁

2.日本からのベトナムへの投資件数の推移

 2007年のWTO加盟から1年後にリーマンショックが発生し、日本から投資件数が一時的に減少するものの、10年~13年にかけて、日系企業の投資は順調に増加しました。その後、13年~15年にかけて日系企業のベトナム投資件数は踊り場を迎えるものの、15年にベトナムで施行された新投資法により「外資規制が緩和」されたことをきっかけに再び増加傾向に転じ、昨年まで右肩上がりで進出件数は増加しておりましたが、20年に全世界で新型コロナウイルスが流行したことで、日系企業の進出件数は減少致しました。

*データ引用元:ベトナム外国投資庁

3.世界の対越投資動向

 2020年12月時点の速報値ですが、海外からのベトナムへの直接投資は、112の国と地域から投資が行われており、投資金額・投資件数の上位5か国は以下のとおりです。

*データ引用元:ベトナム外国投資庁 *「新規投資の金額・件数」「追加投資の金額・件数」「証券投資の金額と件数」の合計で順位を算出(2020年1月~12月)

<主な大型プロジェクト>

  • 液化天然ガス(LNG)の発電所プロジェクトの約40億USドル(シンガポール)2020/1
  • ロンソン石油化学コンビナート建設プロジェクトで約13億USドル(タイ)2020/4
  • ウエストレイク ウエストアーバンセンター建設プロジェクトで約7億USドル(韓国)2020/6
  • ペガトロンではゲーム機器等の工場建設プロジェクトで約7億USドル(台湾)2020/10
  • 上記の大型プロジェクトなどがFDI投資金額全体を下支えしており、全世界からのベトナムへの投資金額は、対前年同時期と比較し75%程度で推移。
    *引用元:ベトナム外国投資庁

<既存プロジェクトが拡大基調>

コロナウイルスの影響を受け、2020年12月時点においても、FDI投資は依然として対前年同水準に達していない状況にあります(対前年比 約75%程度)。しかしながら、外国からのベトナムの既存プロジェクトに係る増資に関しては、年間を通じて1,140件行われ(対前年比 82.5%程度)、金額は64億USドルを上回り、対前年比110.6%に達しました。

 増資が増えていることに関しては、進出済みの外国企業が徐々に生産活動及び事業活動を再開させプロジェクトを拡大していることや、チャイナプラスワンの流れが加速しグローバルサプライチェーンの見直しによるベトナムでの生産能力の強化を目的とした投資拡大が背景にあると考えられます。世界的に経済状況が低迷していることに対し、いち早くコロナウイルスの影響を脱しつつあるベトナムの、投資先としての魅力があらわれていると言えます。

加えて、外国からの新規投資についても回復の兆しが確認できます。2020年の第4四半期における新規投資数は、第3四半期と比べ約9%程度増加しております。

  2021年1月現在においてもコロナウイルスが、全世界で依然として猛威を振るっている状況に変化がなく、外国投資家の投資マインドの低下が約1年続いている状況ではありますが、世界各国と比較し、ベトナムへの注目度が高まっていることが伺えます。2021年におけるFDI投資については、2020年第4四半期に続き、緩やかに回復基調にあると見込まれます。

直近の日本政策金融公庫の調査、「第10回取引先海外現地法人の業況調査報告」によると、今後3年程度の事業展開における有望国・地域として、ベトナムが7年連続で1位となっており、日系企業のベトナムへの注目度は他アセアン諸国の中でも群を抜いているのがこれらの調査、報告でもわかります。

最後になりますが2021年においては、一刻も早く、コロナウイルスの影響から脱し、日本・ベトナムのみならず、全世界の経済活動が好転することを祈念しております。

以上、プロネクサスベトナムが海外からの投資動向について、お知らせ致しました。

次回は、【日本人の知らないベトナム人の特徴、習慣】をお伝え致します。

プロネクサスベトナム現地レポート(2021年1月 VOL.17)

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